今日53歳の誕生日を迎えました。
毎日、ほんの少しでも前進したいと願っていますが、
振り返ると果たして自分はちゃんと前に進んでいるのか不安になります。
一生懸命に進んでいるつもりなのに、進んでいない感覚になることがあります。
それは、仕事面でも生活面でも自分自身の人間性においても同様です。
少し焦りを感じる一方で、
50歳を過ぎていつまでも走り続けられないよ・・・と
開き直るような気持ちにもなります。
先日、伊集院静さんの小説
“ノボさん”(正岡子規と夏目漱石)の中に
心にとまる一文を見つけました。
この小説は正岡子規の生涯を夏目漱石との交流を軸に描いた小説です。
子規が小説を書こうとしていた時期があり、
途中でどうにも筆が進まなくなった時のことです。
それを漱石に打ち明けた時に、漱石が子規に
「これは山に登る人から聞いたのだが、
山登りというのは、その山が高ければ高いほど途中の道は下りが多いそうだ」
「高い山ほど下りが多いというのが本当なら、
君が今書いているものが前より高いものという証拠かもしれないよ」と話します。
それを聞いて子規は白い歯を見せて
「そうか、今は下りの道を歩いとるから進んどるように思えんのじゃ。
きっとそうじゃ」と納得します。
私もたとえ今の自分が進んでないとしても、
それがより高い山に登る過程にしたいと思います。
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