若者の投票率が低いことについては、選挙のたびに話題になります。
先日の選挙後の各テレビの特集番組でも、
そのことについて話題になっていました。
その中で、1つ「なるほど・・」と思える意見がありました。
それは、「若者が政治離れしていると言うよりも、
政治が若者から離れてしまっている」という意見です。
現在から近い将来へと議論される時に、
若者の問題より、高齢化対策の話題が多い印象があります。
また、政策も選挙に結びつきやすい
高齢者対策の方が議論が多い印象があります。
確かに少子化対策など若者への対策もありますが、
それは年配の方の価値観に左右されていて
中年層の私から見ても机上の空論に見えます。
そんなことを考えながら討論を聞いていると、
似たようなことは医療制度でもある・・と思いました。
当院は気管支喘息の患者さんが多く受診されます。
気管支喘息は若い頃に発症することが多く、
症状が改善しても継続して治療が必要な病気です。
しかし、喘息の症状が落ち着き安定すると無症状になるので、
治療を中断してしまう人が多くいます。
治療中断によって悪化して受診される患者さんのお話しで、
よく話題になるのは薬の値段です。
特に吸入薬は選択できるジェネリック医薬品もほとんどなく、
薬剤費が高くなり負担になります。
確かに日本は医療保険制度が充実していて、
海外より医療費や薬剤費が安いのは事実です。
しかし、基本1割負担の高齢者の患者さんでも、
吸入薬が高価であると口にする方もいますので、
基本3割負担の若い患者さんにとって、
薬剤費が負担になるのは理解できます。
喘息の状態が不十分なまま社会生活を送ることは、
その方のパフォーマンスの低下を招き、
社会的な損失にもつながります。
医療制度が高齢者の方に優しくあるのは大切です。
しかし、多くの負担で医療制度、介護制度を支えている、
若者にとっても優しい医療制度が必要なのでは?と感じるのです。
医療制度もまた、今の政治と同じように
病気で治療が必要な若者への関心を失っているのかもしれません。
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