長野で技能五輪という、若い技術者の方々が、その技能を競う大会が開かれています。
大会も盛況な様子ですし、最近では日本独自の技能や技術を見直そうとする気運が高まっているように思います。
しかし、実際には職人さんといわれるような技術者の方々の苦境は続いているようです。
9月に「みやしん」という繊維メーカーが廃業したというニュースがありました。
良いのを丁寧に制作する会社で、日本の物作りの指標として知られてきた会社でした。
ニュースには廃業のきっかけは、長いつきあいのアパレルメーカーの若い担当者から
「1メートル2000円もする宮本さんの生地は使えませんから」という唐突な連絡だったそうです。
私は経済の複雑な仕組みについては理解してません。
しかし、価格競争の重荷を材料費にまわしてコストダウンしようとするのは、
素人の私からみても産業の衰退につながる元凶のように思われます。
韓国や中国に追いつかれ、追い抜かれ、日本の産業は劣勢になっていると言われます。
そして、日本にしか出来ない仕事や技術、メイドイン・ジャパンの良さを見直すべきだと言われています。
そのためには私たち日本人が、日本人の本当に良い技術を認め評価できることが大切だと思います。
ドイツではマイスターという制度が有り、優れた技術者はマイスターとして社会地位も確立され、
技術の伝道者として人々から尊敬されていると聞きます。
今、技能五輪に参加している技術者の方々にも、
その能力を伸ばしていける社会的環境が必要なのだと思います。
そして、本当に良い仕事をしようと志す気持ちが折れないように
大切にしてあげられる日本であって欲しいと思います。