院長ブログ

ゆっくり急げ~Fastina lente~

運動誘発喘息について
2016.2.15

運動の数分後に喘息様症状が起きる喘息を

運動誘発喘息 Exercise-Induced Asthma(EIA)と呼びます。

 

運動誘発喘息はトップアスリートだけではなく、

学校の部活を含め、あらゆるレベルのアスリートに起きます。

運動誘発喘息の頻度は、

オリンピック選手のようなトップアスリートで30~70%といわれ、

決して珍しい病気ではありません。

 

運動誘発喘息の誘因は、強度の過呼吸、一分間の呼吸量の増加です。

吸い込む空気の温度が低いほど、

また空気が乾燥しているほど発作が出やすくなります。

 

運動誘発喘息の治療は、

毎日定期的に薬を吸入したり、内服したりして、

日常の喘息の治療をしっかり行い、

日頃から喘息の状態を安定化させておくことが前提になります。

 

運動時には、適切なウォーミングアップを取り入れて症状発現の予防します。

気温や湿度の極端に低いところでのトレーニングは避ける、

プールの塩素やアイスアリーナの超微細粒子を避けるなどの対策も大切です。

 

そのうえで、

運動前や運動中に

メプチンやサルタノールのような発作止めを吸入するとともに、

症状が強い場合には、

運動前にクロモグリク酸ナトリウム(インタール)を吸入します。

 

運動誘発喘息の治療は、本人だけではなく、

指導者の方も重要な役割があります。

本人が自覚しないまま、見逃されていることも多くあります。

運動を始めると咳が出る、

本当はもっと能力があるはずなのに、

どうも息切れが目立つ、持久力がない、

調子に波がある・・などに気がついたら、

一度、運動誘発喘息を疑ってみてください。

 

==甘利内科呼吸器科クリニック==呼吸器内科==アレルギー科==長野市==

 

 

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