「ひづめの音を聞けば、まずは馬であって、シマウマのような珍しい動物ではない」というアメリカのことわざから、
有病率の低いまれな病気ばかりを考えて診断しようとすることを「シマウマ探し」と呼びます。
医師が一人の患者様の診察をして診断する時に、病気の有病率は重要な要素になります。
受診した患者様の症状や診察所見が、風邪など誰しもが時々罹患するような
頻度の高い病気で説明がつくのかを考えるものです。
もちろん、私のクリニックのような一般診療所と
大学病院の外来では受診する患者様の病気の頻度は違います。
しかし、大学病院の外来をしていても、テレビや週刊誌で取り上げられるような珍しい病気や
学会に発表するような症例に出会うことはそう多くはありません。
ご自身の体調に何か不都合な変化が起きた時、
いきなりテレビ番組で見たような稀な難病を心配して検査をご希望される前に、
「過去も同じような症状がを経験して治ったことがなかったか?」、
「症状は改善傾向なのか」など落ち着いて考えていただくことも大切です。
もちろん症状を軽視してしまうのも問題ではありますが・・・・・
あなたが馬の足音を聞いた時、多くの場合は馬であって、それがシマウマの足音であることは稀なのです。
===長野市 内科 呼吸器科 アレルギー科 甘利内科呼吸器科クリニック===