院長ブログ

ゆっくり急げ~Fastina lente~

マイコプラズマ感染大流行に思う
2011.12.15


この秋からマイコプラズマ感染症が流行していると言われています。

毎日外来診療をしていると、今年は確かにマイコプラズマ感染を疑うような肺炎が多いように思います。

しかし、“マイコプラズマ感染大流行”という報道を鵜呑みにして良いのでしょうか?

問題は、近年盛んに検査されているマイコプラズマの検査にあります。

近年開業医を中心に行われているこの検査は、イムノカードとよばれている簡易検査キットですが、この検査、実は健常人の30%が陽性になってしまう検査です。

つまり健康な人の3人に1人が陽性になってしまうのですから、検査キットが普及すればするほど偽陽性(本当は違うのに陽性になってしまう)が増えてしまいます。

この検査キットの流行が多くの偽陽性患者を生み、 “マイコプラズマ大流行”につながっていることは間違いないと思います。

ちなみに欧州では数年前からもっと正確な検査キットが発売されていますが、未だに日本では使用できません。

事情は分かりませんが、新しい検査キットがやや高価で、現在の日本の検査料では採算が合わないのが理由ではないかと思います。

しかし不正確な検査によって、結局は無駄な投薬が増えるわけですから、早く新しい検査キットが使用でるようになって欲しいと思います。

長野市 篠ノ井 内科・呼吸器内科・アレルギー科 甘利内科呼吸器科クリニック

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