院長ブログ

ゆっくり急げ~Fastina lente~

満足のその先にあるもの
2018.4.2

人が医療機関を受診する目的は、

単純にいうと病気や体の不調を治すためです。

その目的を叶えることが医療機関の存在する意義です。

ですから治療して結果を出すことは、

私たちが果たすべき最重要課題だということは異論はありません。

でも、私はもうすこし違う考え方をしています。

 

たとえば、お腹が空いて食事をしたいと思った時、

空腹が満たされれば目的は達成されますが、

それだけで満足できるでしょうか?

「お腹がいっぱいになれば良い・・・」

確かにそんな日もあるでしょう。

でも、「美味しいものを食べたい」

「気の利いたお店で食事をしたい」

そう思うことだって多いと思います。

また、空腹を満たすために入ったレストランが

思いがけず自分の好みに合っていたり、

気の利いたサービスに嬉しくなることもあると思います。

 

医療機関だってそうではないか・・・と思うのです。

体調の不具合で仕方なく受診した医療機関が、

白くつめたい壁に、ビニールの長いす、

スタッフも医師もきちんと仕事はしているけど笑顔一つ無い。

果たすべき仕事はしてくれるけど、

それ以上のことはなく期待もできない。

もし、当院がそのような医療機関だとしたら、

私という個性を持った人間が

医師として仕事をしてる意味がないと思うのです。

 

当院では、患者さんを患者様とは呼びません。

患者さんに対して、過剰な敬語は使いません。

でも、気持ちよく受診していただけるような配慮には

手を抜いたりしていません。

 

入り口の花壇には季節の花が咲くように、

玄関にはフラワーアレンジメントをおいて

花が絶えないようにしています。

室内の飾り物は、季節に合わせて、

毎月変更しています。

待合室や診察室には、木を多用したインテリアを置いて

無機質な冷たい空間にならないように工夫しています

そして、テレビや過剰な宣伝やポスターを避けるようにしています。

 

確かに当院は小さいし、

スペースにゆとりはありません。

築50年になる建物は

機能だけなら新築には敵いません。

予約外だと待ち時間は長いし、

休診日も多めかもしれません。

しかし、それでも当院を受診していただける

そんな皆様のために、

会計を終えて玄関をでたときに、

治療の満足と一緒に

ちょっとした気持ちの良さを感じていただけたら・・・

 

私はそんな気持ちを、診察にプラスして届けたい、

そう考えています。

 

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