AIなど技術革新により、人間が経済や労働で果たす役割は変化しつつあります。
医療においても、オンライン診療やオンライン上での仮想クリニック、
AIによる診断や予後の予測など最新技術の導入が話題になっています。
『日経ビジネス』11月8日号に
AIが雇用を奪う未来について研究を続けている、
マイケル・オズボーン英オックスフォード大学教授の記事が掲載されていました。
この記事はAIと雇用についての討論会を記録した記事ですが、
この討論会のなかで、内科医の仕事について下記のような設問がありました。
問:『内科医』の仕事が将来AIなどに自動化される確率は何%でしょうか?
答え:(A)0~24%(B)25~49%(C)50~74%(D)75~100%
参加者の回答はCの「50~74%」、Dの「75~100%」が多かったそうですが、
オズボーン教授の答えは(A)で、
しかも自動化される確率はわずか0.6%と予測されています。
その理由は、医師の仕事は人との交流がベースにあり、
患者は人的交流の対価としてお金を払うので、
人間の医師の雇用はなくならないと解説されていました。
さらに、
今後、AIなどの技術革新でも自動化される可能性が低い仕事のカテゴリーは2つ。
一つは「ソーシャルインリジェンス(社会的知性)」で、
医師のように、人的交流や相手の気持ちの理解が必要な仕事、
もう一つは「創造性」で、イノベーションは人間しか生み出せないからだそうです。
このオズボーン教授の解説で、私が重要と思うポイントは
「自分の仕事がAIに取られないから安心」することではなくて、
「人的交流の形成できない、相手の気持ちへの理解が出来ない医師は
AIで代替え可能である」といえる点です。
「交流」とは「行き来して付き合うこと」ですから、
どちらかの一方的なアプローチでは成立しませんし、
誰とでも無差別に交流できるものでもありません。
交流するためには相互理解する時間も労力も必要になります。
急速に進む技術革新の中で、AIと共存できる医師として
最新技術を取り入れつつも、AIでは生み出せない「人的交流を大切にする」
そんなクリニックでありたいと考えています。
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