院長ブログ

ゆっくり急げ~Fastina lente~

小児の診療についての考え方
2017.4.10

当院では、今までご要望に応じて

小児喘息など呼吸器疾患に限り小児科領域の診察をしてきました。

小児の診察については、自分で勉強し、時に小児科の先生の力を借りながら、

専門書やガイドラインに沿って治療することで対応してきました。

しかし、日々の診療の中で下記のように考えるように至りました。

小児の診療を拒否する訳ではありません。

稚拙な文章でございますが、

1度お読みいただければと思います。

 

「小児の診療についての考え方」

当院は開院時より「小児科」を標榜していません。

当院で小児科を標榜していない理由は、私が小児科の研修を受けたことがないからです。

大学病院や地域の病院では内科と小児科は明確に分かれていますから、

当直や救急当番でしか小児を診察することがありませんでした。

一般的に内科の開業医であっても「内科」に加えて「小児科」を標榜している施設も多く、

当院でも小児の患者さんの受診希望をいただくことがあります。

今までは、わざわざ当院を選んでいただいた嬉しさもあり、

気管支喘息などの呼吸器疾患に限り診察をさせていただいてきました。

 

小児の診察で改めて実感するのは、小児診療の難しさです。

特に気管支喘息をはじめとするアレルギー疾患は、

乳幼児期から思春期にいたる成長過程の中で大きく変化していきますから、

お子様の成長過程への十分な理解なしに治療することは困難だと実感しました。

時々、治療がうまくいかずに小児科の先生に診察をお願いすることがありますが、

絡まった糸を解くように解決していただくことになり、

小児科の先生への尊敬とともに、自分自身の力量不足を思い知ることになります。

 

小児の病気は、その成長過程と密接にかかわります。

つまり、思春期以降を対象とする内科とは違う視点が必要になります。

勉強しても、経験や総合力で小児科の先生に追いつける訳ではありません。

ですから、自分の得意な気管支喘息であっても、

小児は小児科の先生にお任せすべきなのだという考えに至りました。

子供が好きな私やスタッフにとって、

小児の皆さんから受診希望をいただくことは大変嬉しいことであります。

しかし、以上のような理由から、

当院では小児の患者さんには小児科への受診をお勧めしております。

ご理解をいただければと存じます。

 

一覧へ戻る