「弁護士の門構え、医者の服装」
これは、私の祖母がよく父に言っていた言葉だそうです。
祖母の実家は須坂市にあった開業医でしたので、
あまり服装に気を遣わずに診療をしていた父を
祖母は心配していたそうです。
この言葉は、いろいろなとらえ方ができます。
偉そうに見えるからそうした方がよい・・・というとらえ方もできるでしょう。
しかし、おそらく祖母は「弁護士さんはその門構で信用され、
医者はその身なりで信用される」と教えたかったのだと思います。
患者さんの立場になれば、
初診時には初対面もしくはそれに近い相手に、
自分の健康のこと、体のことを話すのです。
我々医師も、場合によっては
患者さんが触れられたくないようなプライバシーの部分にまで踏み込まなくてはいけないのですから
きちんとした身なりで接するのが礼儀だと祖母は教えたかったのでしょう。
以前ブログにも書きましたが、
昔から自分が実際より若く見え、頼りなさそうに見られることを自覚していた私は、
医師になったときから、祖母の教えを守るようにしてきました。
私が年月を経て開業医になってからも、
暑い時期を除いてネクタイをしているのは
そんな祖母の教えが身についているからです。
じつは、私にその教えを残してくれた祖母は、私が生まれる前に他界しています。
私には祖母の記憶はありませんし、
祖母もまた、私がこの世に生まれたことを知りません。
そんな祖母の言葉が私の中に生きている、
祖母もきっと喜んでくれていると思います。
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