運動の数分後に喘息様症状が起きる喘息を
運動誘発喘息 Exercise-Induced Asthma(EIA)と呼びます。
運動誘発喘息はトップアスリートだけではなく、
学校の部活を含め、あらゆるレベルのアスリートに起きます。
運動誘発喘息の頻度は、
オリンピック選手のようなトップアスリートで30~70%といわれ、
決して珍しい病気ではありません。
運動誘発喘息の誘因は、強度の過呼吸、一分間の呼吸量の増加です。
吸い込む空気の温度が低いほど、
また空気が乾燥しているほど発作が出やすくなります。
運動誘発喘息の治療は、
毎日定期的に薬を吸入したり、内服したりして、
日常の喘息の治療をしっかり行い、
日頃から喘息の状態を安定化させておくことが前提になります。
運動時には、適切なウォーミングアップを取り入れて症状発現の予防します。
気温や湿度の極端に低いところでのトレーニングは避ける、
プールの塩素やアイスアリーナの超微細粒子を避けるなどの対策も大切です。
そのうえで、
運動前や運動中に
メプチンやサルタノールのような発作止めを吸入するとともに、
症状が強い場合には、
運動前にクロモグリク酸ナトリウム(インタール)を吸入します。
運動誘発喘息の治療は、本人だけではなく、
指導者の方も重要な役割があります。
本人が自覚しないまま、見逃されていることも多くあります。
運動を始めると咳が出る、
本当はもっと能力があるはずなのに、
どうも息切れが目立つ、持久力がない、
調子に波がある・・などに気がついたら、
一度、運動誘発喘息を疑ってみてください。
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